温活とは、体を温めて基礎体温を上げ、体調不良などを改善することです。温活をすることでエアコンやストーブといった家電製品の力に頼らなくても、自らの力で体の体温を調節することができるようになります。本来人間には備わっている機能ではありますが、生活の利便性が上がる中で、体温調節が苦手な方も増えてきました。健康を維持するには代謝を上げて基礎体温を上げることが大切だと言われています。
体の冷えがさまざまな体調不良を引き起こす
体の冷えは「万病のもと」とも考えられ、体温が低下すると、さまざまな体調不良が起こりやすくなるといわれています。冷えの原因は様々ですが、主な原因は3つ上げられます。
①自律神経の乱れ
自律神経のバランスが乱れると、体温調節が上手くできなくなって体が冷えてしまうことがあります。それによって肩こりや不眠といった不調を引き起こします。
②筋肉不足
人の体を動かすエネルギーの40%は筋肉が活動することで消費されると言われており、その過で熱を生み出します。筋肉が少ないと熱を作り出す力が弱くなるため、体温が日常的に低くなってしまい慢性的な冷えに繋がってしまいます。
③血行不良
長時間のデスクワークで同じ体制を取ったり、偏った食事を続けて血液がドロドロだったり、低血圧であったりすると血液が全身に回りにくくなってしまいます。血液は酸素や栄養分を運んで体温を一定に保っているため、血行不良によって手足の末端まで血液が届きづらくなると、体が冷えてしまいます。
特に、女性で冷えに悩まされる人は多いかもしれません。それは女性が男性と比べて筋肉が少なく脂肪がつきやすいのが原因ともいわれています。ただ最近では男性の中でも冷えの悩みを抱える人が増えつつあり、老若男女問わず体を温める「温活」が注目を集めています。
体温を1℃上がると?
体温が1℃上がれば、代謝が約12%上がるといわれています。
体温を維持するために多くのエネルギーが費やされているので、体温が高い人ほど基礎代謝量が多く痩せやすいと言われています。
また、体温が上がることで血液の流れがよくなり、血液の流れがよくなると白血球の動きも活性化されるので、免疫力が高まります。免疫システムが正常に働く体温は、36.5℃~37.1℃だと言われいますが、現代人の平熱は36℃以下という低体温の人も最近は多く、免疫力が正常に動かない環境を作ってしまう生活習慣も見直す必要がありそうです。
では体温を上げるにはどうしたらよいのでしょうか。人間はエネルギーを消費するときに熱を作り出します。その熱を血液によって全身に運ぶことで全身の体温が上がるのですが、全身に血液を送り出すのは心臓だけでは負担が大きいため、筋肉が必要となってくるのです。
筋肉には、心臓と同じように血液をポンプのように送り出す働きがあります。筋肉が増えるほど、体のすみずみまで血液が行き渡り、体は温まります。
体温が1℃下がると?
体温が1℃下がると、免疫力が30%下がると言われています。免疫細胞は血液に含まれる白血球なので、血液が行き届かないところでは免疫細胞も不足します。免疫力が低下するとウィルスなどの外敵と戦うことができず病気になりやすくなり、体温が下がることで代謝も低下する為、血液中に燃焼しきれなかった老廃物が残り、ドロドロな状態になって動脈硬化の進行を促してしまいます。
代謝の低下は体温を維持するためのエネルギー産生をさらに悪くするため、冷えの悪循環が生まれてしまうのです。
体温上がると基礎代謝が上がる
基礎代謝量とは、人が運動をしていなくても普段の生活する中で消費できるエネルギー量です。基礎代謝が高いと、摂取した栄養素を効率よく利用してエネルギーを作ることができます。
反対に、基礎代謝が低下している体だと、栄養素を上手く利用できず、カロリーを消費しづらくなってしまうため、1日の消費カロリーが減ってしまい、太りやすい状態になってしまうのです。
基礎代謝量は、一般的に加齢や筋肉量の低下によって下がると言われていますが、
体温を上げることで基礎代謝量が上がり、エネルギー消費量が上昇することがわかっています。
なので体温が下がる冬場にしっかりとトレーニングをして筋肉を使い、体温を高めることができれば、年間を通して痩せやすい体を維持できるのです。
手軽にできる温活のススメ
①体の末端や血流部分を温める
一番簡単にできる温活としては、体を冷やさないようにすることです。特に、下半身やお腹、首や手首足首などを冷やさないようにするといいでしょう。たとえば、腹巻やネックウォーマー、レッグウォーマー、アームウォーマーなど、部分的に温められてすぐつけられるアイテムがおすすめです。腹巻とパンツが一体化したものなら、下半身とお腹を同時に温められます。
また、血流が滞ると冷えにつながるため、締め付けの強い服や下着などの体を圧迫するものは避けたほうがいいでしょう。
②体を冷やさない食べ物や飲み物を摂る
食べ物や飲み物の選び方によっても、体が冷えてしまうケースがあるため、体を冷やさない食べ物・飲み物を摂るように心がけましょう。
基本的には、冷いものを避けることが重要です。寝起きには体を温めるために、白湯や温かいノンカフェインのお茶などをとるのがおすすめです。胃腸の動きが活発になり、便通も良くなります。
また、粉類や砂糖を含む食品は代謝を下げやすく、特に精製白砂糖は体を冷やすといわれているため、甘いものや粉モノなどの食べ過ぎには注意が必要です。
③適度な筋肉運動を取り入れる
温活では、基礎代謝を高めることが重要です。基礎代謝を高める方法としては、適度な運動が効果的です。日常生活の中に軽い運動を取り入れて、筋肉量を増やしましょう。筋肉がつくことで、冷えが改善されます。特に、筋肉量の7割は下半身に集中しているため、下半身を鍛えることがおすすめです。ももあげやスクワットなどを行いましょう。
また、筋トレが苦手な方でもヨガやストレッチ、ウォーキングなどを20分程度行うことは、冷え対策だけでなく健康維持にも役立ちますよ。
④入浴
体をしっかり温めるにはシャワーだけでは温まりません。湯船に浸かることは最も効果的な温活です。
入浴すると、無理なく発汗し余分な水分を排出できます。また、血管が拡張して血の巡りがよくなり、代謝がアップすることで体温が上がります。お湯は少しぬるめで長くつかれる心地よい温度(38~40℃)が適温です。10分程度入ると汗がでてくるのでゆっくりとつかるようにしましょう。湯船に浸かるのが難しい場合は、蒸しタオルで首の後ろを温めると体温上昇が見込めます。
⑤体を温める食品をとる
漢方医学では体を温める食べ物を「陽性食品」、体を冷やす食べ物を「陰性食品」と言います。
寒い時期は陽性食品を意識して取ることで体を内側から温める効果も期待できます。
陽性食品の特徴はこの4点です。
- 寒い地域が原産の食品
- 色が濃い食品
- 水分が少なく固い食品
- 冬が旬の食品
まとめ
温活をすることによって自分の体の温度調節機能力を高め、基礎体温を上げることができれば、免疫力が上がったり、体の柔軟性が保てたりと、風邪や怪我の予防に繋がります。寒さに負けず、基礎体温を上げる温活にあなたもチャレンジしてみてください。