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身体を温める陽性食品、身体を冷やす陰性食品。水分のとりすぎは冷えの原因に?

身体を温める陽性食品、身体を冷やす陰性食品。水分のとりすぎは冷えの原因に?

寒い季節、運動だけでなく食べ物から体を温めていきたいですよね。
また暑い時期に体を冷却してくれる効果がある食品があります。
漢方医学では、体を温める食べ物を「陽性食品」体を冷やす食べ物を「陰性食品」と言い「冷え性」は身体が陰に傾いている状態を指します。
身体が陰に傾き冷えていると、体内の老廃物が排泄されにくく代謝が悪くなってしまいます。

冷え性が続くと、血流が悪くなるので免疫力の低下から風邪やその他の疾患にもかかりやすくなってしまうのです。昔から冷えは万病のもとと言わるように、身体を冷やす食品とは上手に付き合い、寒い季節に限らず陽性食品を意識して取っていくことで体を内側から温めていきましょう。

陽性食品の特徴

① 寒冷な土地や寒い時期に採れるもの
② 水分が少なく固いもの
③ 土の中で育つ野菜
④ たんぱく質と鉄分が多いもの
⑤ 塩気が強いもの
⑥ 発酵しているもの

【陽性の食品例】

りんごや柿、さくらんぼなど、寒い地域で採れる果物や黒ゴマや黒大豆、ごぼうやにんじん等の根菜類は陽性食品とされています。他にも、卵やチーズ、肉や魚介類も陽性食品です。

◆野菜

にら、にんじん、玉ねぎ、カボチャ、ブロッコリー、春菊、ホウレンソウ大根、ゴボウ、かぶ、レンコン、ニンニク、生姜、ネギ

◆果物

りんご、もも、あんず、ドライフルーツ、

◆穀物

玄米、雑穀、もち米、蕎麦、黒パン

◆たんぱく質

肉類、魚介類、チーズ

◆調味料

味噌、醤油、唐辛子、山椒、胡椒、シナモン、

◆飲み物

日本酒、赤ワイン、紅茶など

◆干物

昆布、干ししいたけ、きくらげ、かんぴょう漬物(古漬)、

◆塩味の強いもの

梅干し、佃煮、漬物、明太子

体を冷やす「陰」の食品の特徴

①温暖な土地や暑い季節に採れるもの
②水分量が多く柔らかいもの
③土の上で育つもの
⑦ 水分を体から排出して体温を下げる効果がある
⑧ カリウムが多いもの
⑨ 精製されていて不純物が抜かれたもの

【陰性の食品例】
バナナやパイナップル、マンゴー、スイカなど暖かい地域で育つ食品は陰性食品です。
レタスや白菜など水分が多い野菜、カレーなどのスパイス、香辛料、コーヒーなどは陰性食品になります。
◇野菜
トマト、きゅうり、ナス、トウモロコシ、ピーマン、アボガド、タケノコ、レタス、キャベツ
◇果物
バナナ ・みかん ・すいか ・パイナップル・ぶどう・メロン・梨
◇穀物
糖類、小麦粉、めん類、イモ類、白米
◇乳・豆製品
牛乳、豆乳、納豆、豆腐、
◇調味料
わさび、こしょう、唐辛子、はちみつ、みりん、お酢、バター、マヨネーズ、化学調味料
◇飲み物
コーヒー、紅茶、コーラ等の糖質飲料、ウィスキー、日本酒など酒類各種

陽性食品」「陰性食品」についてイメージができてきたでしょうか。
大きく陽性食品と陰性食品と分けてご紹介しましたが、食品の中には陽と陰の間の中庸食品と呼ばれるものもあります。また、ひとつの食品でも陰と陽に分けられて、例えば大根や人参の場合、根の部分が陽の食材で、葉の部分が陰の食材となるものもあります。
更に、お気づきのとおり調理法によって陰性から陽性に変わるものもあります。
陰陽の食品を知って意識すると、食事が一層楽しくなるかもしれませんね。

水のとりすぎは体の冷えに繋がる

ここで食品と同じく体の冷えに繋がる注意点をお話しいたします。
美容と健康のために1日2リットルの水を飲みましょうということを聞いたことがある方も多いかと思います。また体を温めるために朝白湯を飲んでいる方もいらっしゃるかと思います。
充分な水分を取ることで代謝が上がり、余分なものを輩出することでダイエットや健康に繋がると言われていることは、ご存じの方かもしれません。ただ水分を2リットルとることは体の大きさにもよりますが、普段から運動や半身浴で汗を出している人がとるのに望ましい量です。水は熱を奪う性質があるため、取りすぎると体内に溜まり体の冷えに繋がってしまうこともあります。
運動をしない人は食事でも水分は取れる為、1日多くても1.5リットルぐらいを心がければ十分です。自分に合った量を正確に知りたい方は専門家に相談しましょう。
また、朝は人肌ぐらいに温めたお水(白湯)を飲むことがよいとされていますが、これも飲みすぎは良くありません。コップ一杯、適量をゆっくりと飲むことを心がけましょう。

食べ過ぎや偏食も冷えの原因に

食べ過ぎや偏った食事は、冷えを感じる原因だとされています。食べ過ぎてしまうと、消化のために胃腸に血液が集中します。これにより、筋肉や他の器官への血液供給が減ってしまうため、熱が作られにくくなり、冷えを感じやすくなってしまうのです。食事のあと眠くなってしまうほどの量は、少し量が多かったというサインです。
また、ファストフードや甘いお菓子、スナック菓子などばかり食べていると、栄養素が不足してしまいます。特に、鉄分やビタミンが不足してしまうと、血流が悪くなり冷えの原因となりますので、栄養分をしっかりとれるバランスの良い食事をこころがけましょう。

陰性食品と陽性食品を組み合わせて摂取する

冬に体を温めたいときには、陽と陰の食材を見極めて「陰性食品」は加熱・発酵・塩漬けなどの調理をすることで陰性食品にすることができます。また陽性食品と組み合わせて体を温める食事にに変える工夫をしてみましょう。
生野菜サラダは食物繊維やビタミンは豊富ですが、トマトやレタス、きゅうりなど、陰性の食材が多く入っています。そこに陽性食品であるドレッシングに、醤油や味噌などの塩分が入っていれば、陰陽のバランスが取れるのです。
イタリア料理のペペロンチーノは、陰性食品であるパスタと陽性のにんにくと唐辛子というバランスを取った組み合わせです。
他にも脂身の多い肉は味噌漬けにしたり、しょうゆや味噌で煮る。うどんは味噌煮込みにするなど、陰陽のバランスのとれた食事はいくつかります。
また、冬の定番である豚汁は、陽性食品である根野菜と豚肉、きのこ・コンニャク・ネギ、味噌など、体を温める食品がたっぷり入った、漢方医学からみても理にかなった食事です。
陰性食品である白米と一緒に取れば、バランスのいい食事ですね。

このように、日本食には陰と陽のバランスのとれたメニューがいくつかあります。

是非皆さんも陰陽を意識しながら普段の食事を楽しんでみてください。

まとめ

食事は旬の食品を食べる事が大切です。
現代は、スーパーに行けば季節外れでもビニールハウスや温室で採れる食品が多くあります。例えば冬にキュウリ、トマト、ナスなどの夏のお野菜があったりします。それらはもちろん見た目や味こそ大きく変わらないものの、その野菜の旬の時期に比べて、実は味も薄く、含まれる栄養素にも違いがあるのです。
陰性食品とは摂取が悪いわけではなく、暑い日に体の熱を取ってくれる効果や、食物繊維やビタミンが豊富である野菜が多くあります。陽性食品ばかりを取っていればいいというわけではありません。
季節や体調に合わせてバランスの良い摂取が望ましいということです。
ただし、一年を通して「体が冷える」という事は、体調の不良を起こしやすい状態になりやすい為、陰陽を知って、体の冷え改善にうまく利用していってください。